book

『象られた力』飛浩隆 早川書房

「デュオ」が『女王の百年密室』のスズキユカ(御夫婦)によるお勧めだったので読みました。森博嗣と女王な雰囲気で読めました。 文体は美しく残酷で女性的な優しさも時々覗くのですが、基本は硬質。 「デュオ」が他の人からも一番面白いと言われたので…実はこ…

『Y』佐藤正午ハルキ文庫 

『ジャンプ』はラストが肩透かしと聞いていたので読む気が起きませんでしたが、女性が『Y』はなかなか、と薦めてくれるので読んでみました。が……。 SFとしても緊迫感はないし、恋愛ものとしてはたいして葛藤も覚悟もないし、トリュフォー好きの人なら楽しめ…

『文人悪食』嵐山光三郎 新潮社 

メールでお勧めしてもらったのもありますが、何より菊地成孔氏がベスト100冊(半分位は音楽理論書)に挙げられていたので読みました。 文人一人一人の家族への接し方や食事の好み、また自分でも包丁を握るか、そして文章に「料理」を遺したかなどあるのですが…

『現実入門』穂村弘 光文社

『世界音痴』ではくくーっくくーっに大爆笑したのに、この3巻目のエッセイでは遂にほむほむも…女性の両親の家に伺いを立てることに。はあ…。 一生独身で居てくれるとおもったのになあ。三浦しをん氏に彼氏が出来る位ショックですよ。 あー、つまらん。あーつ…

『永遠の出口』森絵都 集英社 

(私の年齢よりも5歳ほど上のキャラクタの)成長物語。 小学校で兄弟制度があり小6のお姉さんに小1の子供が面倒をみて貰ってたのですが、1学期で引っ越した自分は以降18歳までずーっと文通してました。そのお姉さんが小6の時にマッチ好きだったので「この世…

『ラス・マンチャス通信』平山瑞穂 新潮社

表紙のイラストが文章の雰囲気に美事に一致しております。このイラストから作品が生まれたのではないかというほどに。 そして弟から見た姉の視線の先や炬燵に共に入っていても生じる距離感、汚らわしい第三者の接触。 設定はSFですが最後まで現実感が希薄な…

『死ぬかと思った 5』林雄司アスペクト

幼い頃の話が多い。 後はHネタ。家族に見つかっちゃったり。 『死ぬかとおもったH』を読みたいです。姉妹編ではないですよね。

『PAY DAY!!!』山田詠美 新潮社

山田詠美のキャラクタは常に山田詠美自身。 自分が感じてきたことだけを表現しているので、恋の話ながら誠実であろうとする意気を伝えてくる。 男性のキャラクタは出来過ぎ、可愛らしすぎではないかおもうも、女性からみた男性の偶像なのか、日本人の男性に…

『生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿』西澤保彦 講談社

西澤ファンって全部読んでる人が多いですよね。この作品はチョーモンインの主要キャラは脇役程度にしか出てこないし、水玉さんのイラストによる料理教室がないので多少不満は残りますが…まあ…。トリックはかなり面倒なのもあります。さすが西澤氏。 テレポー…

『ばらっちからカモメール』鴨志田穣, 西原 理恵子

西原の漫画はたとえ数コマでもついつい見てしまいます。 冬コミで販売してたのを見たんだからやっぱり購入すべきだった…列に負けた。 鴨志田氏とは現在別居してると伺ってますが、鴨志田氏…。文章はピュアなんですけど、子供が居る家庭で叶恭子のように全裸…

『雀鬼流。桜井章一の極意と心得』桜井章一 三五館

牌譜(「符」計算なのに何故に牌「譜」なのか)をまだまだ(というか一生)瞬時に見極められないので、今回は牌譜イラストがないのを読んでみることに。 麻雀ネタは逃げ腰ですが人生には前向きに。 やはりね、スターが居るジャンルは輝いてるんですよ。もう1頁読…

『報復』ジリアン・ホフマン 吉田利子/訳 ソニー・マガジンズ

コーンウェルと比較されてましたが、女性が性的異常者に立ち向かっていく=スカーペッタという図式が出来過ぎなんですよね。 でもスカーペッタは精神的に追詰められることはあっても、米国では4人に1人は受けるというレイプはされてないし、ましてや子宮摘出…

『熊の場所』舞城王太郎 講談社

「バット男」演劇になってましたね。惹かれるメンバでなかったので観ませんでした。この原作でよく舞台になりましたね…。 「熊の場所」… 「阿修羅ガール」の純文学寄りではなく、「煙か土か食い物」寄り。 扱ってる題材は相変わらず残虐性が目立ちます(ミス…

『恋よりふるい』阿部恭久思潮社

リブロでバイトしてた頃にぱろーるで購入してました。 メジャでない詩集や句集は図書館にないので購入せざるをえないのです。と解釈する前にその言葉がほしくて仕方なくなるだけです。 バイトの3時間分の価格でした。 官能とやるせなさに彩られてるかという…

『タンタルス』内田百けん 

ネットの不便なところは門構えに月の内田百けんのけんの字が表記出来ないところですね。閒ってちょっと美しくないし。 そして10年ほど前までは旧仮名遣いの氏の作品が読めたのに、昨今はなんですか!高校の日誌に百けんの話を書いてたくらい好きだったのに、…

『サウダージ』垣根涼介 文藝春秋 

『ワイルド・ソウル』は本当に面白かったです。去年読んだ中でカタルシスNo.1と言ってもいいくらいです。感想も常軌を逸してますが、まあいつものことかも。もはや。 コメントの最後に書いたとおり、その他の作品は読んでません。 その作者の新作なんですが…

『それ行けトヨザキ!! Number迷コラム傑作選』豊崎由美 文芸春秋

豊崎由美氏は、『文学賞メッタ斬り!』では男性だとおもってました。そしてB-1で放映してるミステリチャンネルで話し方が女性でした。でも『百年の誤読』ではかなり女性です。で『それ行けトヨザキ!!』は時々女性です。37歳では全くオバサンではないのに自…

『アルファベット・パズラーズ』ミステリ・フロンティア9 大山誠一郎 東京創元社

大山氏は京大推理研究会出身らしい。 本格ミステリの正統派ですね。 今までは翻訳をしていたそうで今作が小説デビュー作みたいです。 『2005本格ミステリ・ベスト10』で8位となり話題になってたので読んでみようと取寄せました。 「Pの妄想」…これ…動…

『路傍の熱血ポンちゃん!』山田詠美 講談社

高校生の時にかなり読みましたよ山田詠美! 『風葬の教室』はいじめられっこが強くなって行く様子が友達に好評でした。『トラッシュ』『ハーレムワールド』『チューイングガム 』『放課後の音符(キイノート) 』『ぼくはビート 』『蝶々の纏足』『熱帯安楽…

『山本令菜の0学占い21世紀開運BOOK』山本 令菜 マガジンハウス

細木数子は0学の一派だったらしく算出方法はほぼ一緒。 でも霊合星でしたっけ、それはありません。算出方法はヤフーの占いで出来ます。この本のスバラシイところは「運命の男」が紹介されてるところ。あったま悪うーいってどっかの王女ならくすくす笑ってい…

『伝説の雀鬼』柳史一郎 

『まあじゃんほうろうき』でマギー司郎と言われたことと最強ということとホストN村に語られた話しか知りませんでしたが、 麻雀の後に夜を徘徊することで実生活に戻る、土に還るところと 麻雀がひたすら好きなのではなく(母から父を奪った)憎しみも抱いていた…

『滴滴集 歌集』小池光 短歌研究社

「婦人の口は常に浄し 果実を落さむ鳥の口に同じく」 「淋しき処にて己の母あるいは娘とともに坐してはならぬ」 ヒッポポータマス重吉は天に召され ひらける口の草の花園 和風喫茶に白玉だんご食うてゐつ男の孤独かくもまどかに 海に湧く霧はうごきてあけが…

『痕跡 下』パトリシア・コーンウェル/相原真理子講談社

マリーノがかなり可哀想な今作ですが、スカーペッタがマリーノを守る行為をするところは、さっすが!です。 ルーシーは相変わらずキレやすいし、まあ20代ですから…。 ミステリ的には本格ではないですが、人間関係でここまで読んできてるので次号も読むでしょ…

『もものかんづめ』さくらももこ 集英社1991年03月

もものかんづめといえば風邪を引いた人に 冷やして硝子の器に入れて差し出すものの筈が こんなに笑える読み物になっているとは。 ムンクの死に顔やイカの背中ネタは『百年の誤読』で知ってたので、 笑いはしませんでしたが、女子高生の頃の恋愛妄想や結婚話…

『痕跡 (上)』パトリシア・コーンウェル/相原真理子 講談社

男性で割と読んでる人が多くて嬉しかったのに、ベントンの死からケイが可哀想で、読んでる自分も辛くて…とこれまた同じとこで止まってる男性ばかりで不思議なシリーズです。 読んでると、ここまで恋愛が上手くいかない点で他人とはおもえません。 やはりMの…

『要塞学園 下』豪屋大介富士見書房

今作は長く感じました。 いつもならエロでザーっと読ませてくれるのに。 一人の奴隷を執拗に狂わせるエピソードがなかったからかな。 やはりゾンビだけに一人当たり数回しなくてはならないから、頁も必要だったんですね。 この感想が誇張なんではなくて、こ…

『工学部・水柿助教授の逡巡』森博嗣 幻冬舎

国立大学理系助教授&小説家の奥様、スバル…いえ須磨子さんに焦点が当たってますが、奥様…ほんっとーに偉い!ええもう萌絵のモデルは須磨子さんですよね! 耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだの生活が伝わってきます。 ピンクハウスでもゴルチエのバッグでも「こ…

『百年の誤読』岡野宏文,豊崎由美 ぴあ

もう栞挟みまくりです。面白くて!そして笑い過ぎて湯舟に落とした…。 100年のベストセラーをメッタ斬り!! 『みだれ髪』にはこんな歌も。 晶子スゴイ…。鉄幹との子供9人。やっぱり体力がないとだめですか。 2ちゃんのような『文壇照魔鏡』 『金色夜叉』は金剛…

『これぞ日本の日本人』松尾スズキ ぴあ

この本を読んで松尾氏に一番共感したこと。 「この人、ゲーム好きなんだ!!」ドリキャス購入するか迷ってるわ、『バイオ・ハザード3』の温さにお怒りだわ… 素敵過ぎます…!!「宍戸事情」でも『ゼルダの伝説』がぽろりと。 しかも奥様をゲーマにしようとして つ…

『フリークス 傑作連作推理集』綾辻行人光文社

綾辻氏の文章は優しいですよね。 あの柔らかそうな身体から出力されそうな文章。 キレ味の点では鈍らなのかもしれませんが。 そして性格とか麻雀の打ち方は私の周辺ではさんざんですが。 ミステリ作家で性格がいいと有名なのは(友人のヒモにそっくりの)伊坂…