『百年の誤読』岡野宏文,豊崎由美 ぴあ
もう栞挟みまくりです。面白くて!そして笑い過ぎて湯舟に落とした…。
100年のベストセラーをメッタ斬り!!
『みだれ髪』にはこんな歌も。<乳ぶさおさへ神秘のとばりそとけりぬここなる花の紅ぞ濃き>
晶子スゴイ…。鉄幹との子供9人。やっぱり体力がないとだめですか。
2ちゃんのような『文壇照魔鏡』
『金色夜叉』は金剛石{ダイヤモンド}の讃美で11行。宮は金目当ての女で、貫一はとっぽい坊ちゃんかと思いきや、いきなり切れ暴力振るうサイコ野郎。うわーヤダ!妄執の塊。
岩野泡鳴の『神秘的半獣主義』…芸風が唐十郎の赤テント。
鏡花の『春昼』短いけど鳥肌立つ位凄いというのでこれは読む予定。『高野聖』しか読んでません。でも『高野聖』の世界は好き。
夏目漱石が教科書から消えていってるって本当ですか?『それから』のラストの赤の鮮烈な描写は確かに!美しい。まあ私には谷崎潤一郎があれば嬉しいのですけど。
佐藤春夫の『田園の憂鬱』憂鬱な妄想と幻覚にうなされるディストピア版「となりのトトロ」。これ不潔すぎて笑いが止まりません。怠け者のないものねだり。豊崎社長の舌鋒が冴えてます!!でも『美しい町』はため息がでるほど素晴らしいらしい。
賀川豊彦の『死線を越えて』。岡野氏「この人、相当頭よくないね。もしかしたら野島より(笑)」<人間の子は肉付きがよくつて跳ね廻る!恋!生殖!>
うひー。もっと諸々ありますが、私も笑い死にそーですう。うわー朗読会やりたいや、これ。罰ゲーム付きで。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』(『春と修羅』の方が好きでした)は小学生の頃好きでしたが、やはり音読すると唇に気持ち良いと太鼓判。
そして宮沢賢治讃美者に冷水を浴びせる荒川洋治『美代子、石を投げなさい』。
確かに、これは詩人の仕事。
『何が彼女をそうさせたか?』では…筆者は藤森成吉。かなりなバカ本。コンデンス・ノベルならぬ圧縮戯曲。ガラスの仮面のバックステージものかと思えば、いやはや。
豊崎社長「松尾スズキ氏に濡れ場設定してもらって大人計画で是非」っつー戯曲。現代でもこういう戯曲を料理してくれる人がいるのは有難いです。
吉川英治『宮本武蔵』。武蔵と法蔵院と柳生十兵衛の闘いなら『魔界転生』の方が上、と。山田風太郎もジュリーも好きなので読んでますが、じゃ読まなくて良いや。『バガボンド』…まだやってるのかな?
高村光太郎『僕等』。智恵子はこのバカに殺されたと思ってましたが、やはりお二人もそう読んでくれていたらしく、石炭くらい手前で焚けっ!と私も。智恵子の見舞いもろくに行かなかったそうで…。
市場に出せないキュウリみたいな顔で恋愛詩書くなとは私はいいませんが、自分が逃げた分は自覚しろよ!
『この子を残して』は偽善臭…。
『風と共に去りぬ』は映画で充分。アンチ・ビルドウングスロマンの決定版。スカーレットはヤなことあれば即、思考停止。知能なし、長期記憶なし、美貌と押し出しの強さのみ。しかも根性悪で凶暴。社会病質者のよう。
私は絶対、読めないな、コレ…。
私の愛する谷崎潤一郎『細雪』は、やはりお二人にも人気。長さなんて気にならないんですよねー。また読もうかな。
これは映画も良かったです。野菜食べちゃうとことか。フフ。
三島の『潮騒』は『金閣寺』のような作品と違い、海の上の青空のよーな小説だそうで。私は『金閣寺』方向が好きなのですが、比喩、描写、構成、文章センスはやはり天才的らしい。
金屏風ですもんね、三島。クイーン聴きながらエッセイ読むと良さそうですね。
三島、覆面作家だったら、割腹しなくて良かったかもしれないのにな。
深沢七郎『楢山節考』読まずにいましたが、読まないとダメかも、やはり。
庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』名前しか知りませんでした。でも村上春樹を生んだ作家なら読まないとな。って春樹作品一作も読んでないんですけど、実は。
さくらももこ『もものかんづめ』も読んでないので、読もうっと。やはり比喩が秀逸。
「イカの背中」ね、特に。
ジュンちゃんの『失楽園』。得意分野?…私が読む訳ないでしょう。こんなの。
ちゃんと文章で淫するものを選んでますから!!(いばるな)
谷崎好きな奴が読むかってーの、こんなん。
日経新聞をスポーツ新聞化することに成功した1997年。
『百年の誤読』の342〜345頁、最高です。すごいよ、こんなに手垢にまみれた言葉で笑わせてくれるHシーン描写ってなかなかないですよ。
編集者はコメディとして出版した筈なのに何故か映画にまで誤解されて作られちゃったみたいですね。
まあフツーの恋愛なら本を読まなくても自分でやればいいので、
ベストセラーは「ハア!!?」なものになりがちなのかも。
最近は近所のセイジョーでもあんなものまで販売してて私は驚きましたし。
でも必要になってるのかー。
身体の警告は誤魔化さずに!!ですね。