『熊の場所』舞城王太郎 講談社


「バット男」演劇になってましたね。惹かれるメンバでなかったので観ませんでした。この原作でよく舞台になりましたね…。


熊の場所」… 「阿修羅ガール」の純文学寄りではなく、「煙か土か食い物」寄り。
扱ってる題材は相変わらず残虐性が目立ちます(ミステリ寄りなので)。
しかし舞城の作品の良い所の一つに、ある種の人間を目の前にすると(燻りが残る諦観ではなく)呪縛から解放されるような感覚が呼び覚まされるような描写に秀でているということがあり、その快感は味わえます。


「バット男」 …この辺りから調布市やら2ちゃん題材の「天の声」掲示板やら出てきたんですね。早婚も。
ミステリ小説時代から自分で愛憎を制御出来ない女の子が出てきて、泣きながらどうしようといいつつ殺してしまうパターンが多かったのですが、純文学だと殺害ではなく自然死に委ねるしかない訳で、その移行期の作品。


「ピコーン!」…舞城ガールは強い。彼氏殺されたらそいつ見つけて彼氏の親のとこひっぱってって謝罪。「ピコーン!」は…まあ何の音か読んでみて下さい。