『宮本から君へ 12』新井英樹 講談社

真淵拓馬→貴乃花「拓馬のイメージ→当時世間がホメそやすだけホメそやした大人気力士 貴乃花」(愛蔵版より)


ここで紹介してからも、オレも泣いたんだよこれ、というコメントを頂きましたが、多分私とは違う所なんですね、そこ。
営業のとこは好き。
そして姐御とうまくいった宮本君、よくまあこんな大変な女とやったもんだ!やることなすこと全てがうまくいくくらいハッピーになるというより多少の不幸は気付かなかったんでしょう。
で姐御も好きな男の前だとしおしおになってしまって、新井英樹のうまさにここで驚きました。
ちゃんと描いてあるじゃないですか、女が。
これ読んで数年経たからと忘れてる人も居るでしょうけど。


嫌な事件が宮本君と年上の彼女に起こるのですが、そこの彼女の抵抗振りもよくかけてます。これ以上なく助かる可能性を全て否定した残酷な描き方。
モーニング掲載……よくやったな。
彼の得意先の息子じゃ、「イイオンナ」の彼女は騒げないしね。
まあ宮本は、とっとと「潰す」べきだったんだよ。
彼女に卓馬の様子を持参することはなかったんだけど…でも漫画ならそうしたほうがいいか。


結婚の時の彼女の家の様子、予想とちがいましたが、これが新井氏の漫画なんだなあと実感。
「潰した」時に宮本、よくやったと安堵しました。
真の復讐は人の手でも、法でもなくて自然に下されるものですが、
宮本から「君」へですから、君へ何をするか見せてもらわないとね。


口だけだったり悩んだり病んだりすることが誠実だとか責任のとりかただとおもってる男はもう沢山。
そして相手をクッションやベッド扱いではなく精神的にもサンドバックにするのもね。
自覚がないのが一番救いようがない。