『みんな元気。 Cuckoos & the invisible devil』舞城王太郎 新潮社


阿修羅ガール』や『好き好き大好き超愛してる。』よりは好きです。
愛が家族へ向かっているから。恋人だけじゃなくて。

スクールアタック・シンドローム】は父から息子への愛情の「見せ方」。
父が30歳息子が15歳で、これって舞城氏と同じ年齢なのだなと。

自分が感じてることをかこうとする真摯な姿勢はデビュー以来ずっとあるとおもうのですが、この作品集で、最近起こっていることへの「家族」単位への対処するひとつのやりかたが描かれているので…。

恋人への愛は『九十九十九』や『好き好き〜』でもう充分な気もするし。
これからどんなふうに進んでいくのか楽しみです。
そして「欠点」を「人間性が豊かな現れ」と言い換えるのは止めるようにします。


無論、常に根底には奈津川サーガへの期待があるのですが。
秋に出るって…冬になったって…いいけどさ、二郎と四郎だから待っても。