『キマイラの新しい城』殊能将之 講談社


本の帯や裏表紙は余り読まない方が面白く読めます。
そして『黒い仏』と『鏡の中は日曜日』を読んでいるほうが、より受け入れやすいです。
特に『黒い仏』のオチでOKだった方なら壁本にならないでしょう。

西澤保彦氏はSFでも本格ミステリでオチがキッチリつけられてますが、殊能将之氏のはオチも多少SFかと。
でも水城やアントニオのような大人(=寛容)にはこたえられないキャラクタが殊能氏の魅力でもあるのでしょう。

食品の時代考証が正確になされていたのが流石です。

殊能氏の著作では『美濃牛』だけが未読です。
これで殊能本、全て読破になってしまうのが勿体ない…でも今年に入るまでは読んだことなかったんです。収穫。
そういえば恩田陸氏も読んでなかったのです、今年まで。