『空の境界 The garden of sinners 上』講談社1,155円(税込)


これは手垢がついてない伝奇もの。確かに新伝奇です。
何より新鮮だったのは

魔法使いと魔術師は別もの

という概念。最近はそういう傾向の本で邦人作家ものをあまり読んでないので、忘れてたか知らなかったか、
新鮮。

魔術は常識で可能なことを非常識で可能にしているだけ。

魔法は、人間の手では出来ない、今の地球上ではいかなり資力をつくしても出来ない事を可能にするもの。

そうなんだ、ふうん。

魔術師の最終的な目的はね、”根源の渦”に到達することだ。アカシックレコードとも呼ばれるが、渦の一端にそういう機能が付随していると考えたほうがいいだろう。

(ああモナーク・セイクレッドか。全て物語がFSSに集約されてしまう、畏るべし)

人間も宇宙そのものであるという考え方はそんなに一般的なものじゃなかったんですか、そうですか。
あとは「直視の魔眼」という概念も素敵だし、2時間くらいでザクザク読んじゃいました。でも上下巻が同じ人物のイラストだとは気付かなかった。


文章が衒学的とか読み辛いとか、言われてるようで、「そんな既知の事実や感情だけで出来てる本なら刺激がないじゃん!」ということで擁護にまわりたいのですが、矢吹駆シリーズを読んでる人や御手洗読める人には読むのに全然問題ないとおもいます。
というか、ライノベ読者は矢吹駆や御手洗を知らないのか?それはちょっと問題有るね。勿体ないから読んだ方がいいですよね。えーと、江戸川乱歩は今の小学校に置いてないのかな。
漫画なら奥瀬サキ氏の『低俗霊狩り』等、沢山お勧めあるけど…『孔雀王』(全部読んでませんが)だとちょっと方向が違うかな。

解説が笠井潔氏なのですが、作品そのものの解説ではなく、誕生にいたる迄の伝奇小説の流れを語っていて、やっぱ『ヴァンパイヤー戦争』読むべきなんでしょうか?だってね『空の境界』の誕生を用意したってあるんですよ。


あのう、奈須さんは『ヴァンパイヤー戦争』に耽溺したんですか?
帯にそんな言葉あったっけ?まあいいや、本屋でチェックしよう。


夜には魔法アカデミーの夢を見ました。こうやって書くとホグワーツみたいね。
人形を造ってはいなかったけど、なにか薬品混ぜてました。
石鹸造ってただけかもしれません(ナチスのような石鹸じゃなく)。