『マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust−−排気』 冲方丁ハヤカワ文庫 JA 730 


全3巻の中で私には全く気になりませんでしたが、ライトノベルにしては不愉快な描写もあるかもしれないです。
しかし、『探偵伯爵と僕』と同じようにいつまでも隠していても仕方がない現実の一断面だし、不愉快な(もしくは、”だった”)ことをどうやって対処して、自律して、人も受け入れられようになるかというセラピイの過程を描いているので極上のSFでエンターテイメントになっております。
また、登場人物の名前もふるっているんですよね。バロット(!)でしょう、ウフコック(!!)でしょう…後者なんて、口に出してみると優しい気持ちになれる響きではないですか。


2巻読んでカジノでいくら遊んだんだ、この方は、と思ったら、参考文献見ても一つ驚嘆。
でもさらりと出来た訳ではないみたいで、安心。
その位、圧巻です!



後書きでは下記のようにあります。

「最善であれ最悪であれ、人は精神の血の輝きによって生きている。
エンターテイメントはその輝きを明らかにするためのものに他ならない。」

大成功してます。