『ワイルド・ソウル』垣根涼介2003/03幻冬舎 (ISBN:4-344-00373-X)1,995円(税込)

第六回大藪春彦賞 受賞
第二十五回吉川栄治文学新人賞 受賞
第五十七回日本推理作家協会賞 受賞

『トリプル・クラウン』ですね。

まあ真に価値があるのはどの賞かはいわずもがな。
そしてその受賞作というのを聞いて垣根涼介氏の本に手を出してみた。

やだっ、これ面白すぎ〜〜!!
昨日のランチタイムにVELOCEで読んでいたくせに第一章からはまりってもう泣きそうになりつつ日本政府を憎みをつのらせ(笑)どっっぷりでした。いやー今日が休みでよかった。帰宅してから携帯もネットも食事も忘れて烏が啼き青い光が差し込むまで読んだね!

勿論文体もいいし犯罪も巧いし、(副?)主人公ケイが、ケイが〜〜!!全然「やることなすこと大間抜けな、ろくでなし」じゃないわよ!失礼ね松尾!モテるの見て僻んでいるんじゃないわよ!「何の花が好きなんだ?」って聞けんのかコラ。女の体温もあげられない男が何ぬかす!!(『雲の上のキスケさん』)

そして恋愛の感じが、ん〜また良いの!だって好きな男にムカっときたら金的攻撃するんだもんヒロイン(とは呼べない…かも概念が違うか)がさ。あんた梢絵(『バキ』)よりずーーーーっとイイオンナだよ!!

ネタバレ感想は復讐ってったって殺してないし、私は山本にも自殺して欲しくなかった(自殺がこの世で一番嫌悪する行為でしょう)。

また途中が面白い分いつも読んでいてラストが心配になるのですが、これは解放というくらい、スッキリしていて笑えたぜ!大満足。ああーーー良かった!

『宇田川心中』(小林恭二)を先に読んだのですが、こっちの面白さが凄まじいので先に紹介。でも二つの全く違う作品中に高杉晋作が将軍に「いよっ、征夷大将軍!」と野次ったことが載っていたんです。書かれた時期が同じだと資料も被ったのでしょうか?

「垣根涼介 Dawning day, Dawning life.」に著者の小話が載っています。このコメントだと今迄の作品は読まなくても良いみたいですね…。