『強奪 箱根駅伝』安東能明2003/10新潮社

第一章は「刺激入れ」というタイトルですが、刺激どころじゃないよ!!
ラソンには「なんで自分の時間を人の苦しそうな顔を観ることに費やさねばならんのだ」としか思ってなかった私ですが、来年からは観るでしょう、箱根駅伝

監督が足が止まったランナーの安東(作者と同名なのは偶然?)に「骨じゃない。大丈夫。がまんがまん」の一言で走らせてしまう。
この監督とランナーの信頼関係にびっくり。そういうもんなんだ、凄いな、スポーツ。
(当方、運動部なんて一回も入ったことない上に仕事をしてからチームワークを始めた人間ですので…)

ラストはね、あふれる熱い涙を止められてしまった。ちょっと幸田さんのアクション描き過ぎ。事前で止めておいてくれたら泣けたのに。(アマゾンの書評では皆、泣いていたらしいが、そん初々しさは最早、私にはないので!!)
ネタバレ感想かな…後は、もう、これで盛り上げるんでしょ?というそのまんまなんですけど…。

38歳まで私の出身の市役所で公僕として働いていてくれたという作者…ちょっと人がよすぎます。「だからあなたは私の犬になっているほうが幸せでしたのよ」とは言いませんが。

そう云えば、最高安定状態と言われるランナ−ズハイに小学校のマラソン練習でなったことがあるのですが、あれ体験しても、マラソンは好きじゃないです…。その瞬間から走るのが苦痛じゃなくなるだけで、その前後は断固苦しいですからねー。


◆◇ ◆◇ ◆◇ 

萌絵は、今なら上戸彩だな、という話で、性同一性症候群の役もやったし良いかも!とおもう。
知的で頭脳明晰といえば押井守の『アウ゛ァロン』アッシュ役のマウゴジャータ・フォレムニャックみたいな人がもっと出てきてほしいですよね〜。私の森 博嗣作品の紅子なイメージです。
犀川は猫背で背が高いイメージ(Lか)というと佐々木蔵ノ介は…貧相だからなあ…一応紅子の息子だから不細工ではありえないとおもうんですが…。じゃあ誰だって言われると…俳優年鑑がないと分からないなあ。


◆◇ ◆◇ ◆◇