『長いお別れ THE LONG GOODBYE』レイモンド・チャンドラー (著), 清水 俊二1958/10(文庫1976/04)早川書房
初邦訳は1958年10月…勿論、私なんて生まれてないです。
「長いお別れ」…不自然なタイトルだなあと思いつつ、余りにも名作の誉れが高いので、2回は挑戦して、スト−リイに引き込まれる前にやめてました。
今回は、腰を据えて、読んでやるぜ!な侠気を全開して読み切ってみました。
ラスト…ネタバレ感想なので反転しますが、チャンドラーって文体や科白だけかと思ってたら「テリー・レノックス生きてたか!!」やられた…流石、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作だ。(『OUT』が受けられなかったエドガー賞を受賞ってことなのかな?)
犀川のmy推定年齢と同じ33歳位かと思っていたフィリップ・マ−ロウは41歳だった。森 博嗣先生位ですね。
男の友情というよりはマ−ロウの誠意の物語でしょう、これは。
読みづらい点は、時間の経過が地の文で改行されずに
「それから一か月すぎた。」
と書いてあるので、あまりのあっさりぶりで読み過ごしちゃいそうなとこです。
もう半世紀経つのに、マ−ロウ位しっかり生きているキャラクターが当り前に書かれているのではないという事実。
この半世紀、人間は何を生きてきたんだろう…と、ちょっとマ−ロウ以降の時間と書物に落胆。
西尾維新が言うように時間と慣性に抵抗を挑む森ミステリが一派を形成するのも、当然の流れなのかもしれないな…。
高貴なる抵抗ですね。
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和智、ホームから転落する。(和智の紹介は3月12日の『公開処刑』に)
私が突き落としたんじゃないです。
また『暗いところで待ち合わせ』ネタでもありません!
わたくしが、自分で手を汚すとお思いですか?
木曜の帰宅中、JRで180cmはある男が片足を滑らせて、首まで線路に落ちたらしいのですわ。素面で。
「それで、捻挫ですんでるアイツってどこまで太々(ふてぶて)しいの!」
とは私ではなく、お姉様たちのお言葉ですの。
私は聞いた時「大丈夫でしょうかね?」と言ったら「貴女、あいつの味方するお心算なの?」と言われ「言ってみただけですう〜」と言わざるを得ない程でした。
全く、百合モードでも標準装備しないと生き抜いていけない職場です。
まあ、一人でモリナツごっこしているだけとも言えるのですけど。
そんなこんなで今日、休日出勤した和智と私でしたが、労いの言葉をかけることは出来ませんでしたのよ。まあ、する気もありませんが。