『殺人の門』東野圭吾2003/09角川書店

東野圭吾だから、読ませるし、睡眠を減らしてでも先を読みたい、となるんだけど『幻夜』に似てるかな。でもこっちの主人公は「自分のため」でしかないので、思い切って「殺人の門」をくぐることが出来ない。

白夜行』『幻夜』はもう、これは仕方ないでしょうという手腕で、罠が仕掛けられてましたが、こちらのは、ネタバレ感想で「お前、いつまでも坊ちゃんじゃねーだろ…」と思ってしまう。騙され過ぎッス。で、結構、昔の作品なのかな?と思ってみたら去年じゃないですか…。装丁もやる気ねーな、と思ってみたら「角川書店装丁室」……。

それでも最後に「え、嘘!」みたいなことがあるよね?あるでしょ!?と思っていたら多少はあった。私としては、主人公・和幸の父が倉持を刺したかと期待しちゃったけど。

読んでから東野応援サイト「なまもの!」ではどんな好意的なコメントがあるのかなと見ると「主人公も救われないけど、ずーーーっと読んできた読者も救われないぞお」

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昨夜、八雲図書館でCDを見ていると『Moonriders TWIN BEST』があったので借りてきたのですが3曲目の「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」で、自分の数十年前の心に入ってしまったような…切なさだけで落涙できそうでした。2曲目までは「あれ〜?ムーンライダースのボーカルってこんな感じだっけ」とか突っ込みいれてたのに。


「文学、歴史、思想、芸術など役に立たない教養を持っている人間だけが、圧倒的総合判断力を持つことができるんです」<数学者・藤原 正彦「ぼくは見ておこう」>
そうかな…。役に立たないだけの知識じゃないという前提ならそうかも。
役に立つ知識ってサバイバルや『ジャングル・ブック』?
某MIT教授はナイフ1本あれば遭難しても生きていけるようにボーイスカウトで教えられたと言っていたが、アメリカのボーイスカウトは日本のものとは内容が違うのだね。それは、日本ではボーイスカウトとは言わず、如月の名前の付いた部隊のある団体の訓練に近いかと。(『亡国のイージス』ネタ)