『エロチカ』 e‐NOVELS編 2004/03講談社

使えねーーーー。山本直樹の足元にも及ばん。
終わり。

とでも書いて終わりにしたい作品集。

執筆陣が豪華なのと、冒頭に「官能とスキル」と桐野夏生の文章があり、そこに

作家たる者は皆、摩訶不思議にして、生きるに肝要なエロスというものを、文章によって表現すべきではないだろうか、これぞ、作家のルネサンス運動に相応しい(中略)実は、エロスは確かなスキルに裏打ちされ、鍛え抜かれるべきものなのである。自分はエロス的でないと思う人間は、ソフト、ハード面、共にテクニックを磨く努力が足りないのだ。職能にも似て、習熟して獲得するもの、更に発展するもの、それがエロスの姿であった。官能小説を書くために、普段以上のスキルが必須となるのも、そのせいである。

とあったから期待したのですよ。森博嗣だって『堕ちていく僕たち』があるし西澤保彦だって『両性具有迷宮』があるのに皆さん、もっと気合い入れていきましょー!こちとら毎月『EROTHICS』読んでんだ!(雁須磨子よしながふみと山本先生と安彦麻里絵が載っているからね、田島ピンナップもあるぜ!)

津原泰水「魔季」  坊主頭のエロティックってのはありますよね。

山田正紀「愛の嵐」 普段からテクニックを磨いているだけあって、及第点。また、kashiba@猟奇の殺人の解説が面白かった!!

京極夏彦百鬼夜行 大首」 先生!!これ、ふつーの妖怪シリーズじゃない作品集なんデスけど…?誰か原稿ボツにしなかったの?くうう、せめて『高野聖』並みのエロスでもあれば。

桐野夏生「愛ランド」 タイトルがアレだが、桐野節入りエロス…でも、もうちょっと読者サービスとか…しても…。

貫井徳郎「思慕」 エロティックな表現は良いのですが、ミステリ要素が途中でバレやすいのが残念。

皆川博子「枯榴」枯淡の美。確かに美しいけどね。そこはかとなく女子版『リヴィエラを撃て』。

北野勇作「あの穴」 蛙爆破好きな小学生が萌えそうな話。

我孫子武丸「危険な遊び」 ラストでひと捻りあり。捻ってしまうのね、職能的に。

なっ、なんか、入魂!って感じの感想で、自分にとって大切なんだな〜、エロって…と実感しました。でも夕方に新聞でエロ記事読んでる新聞の親父は大嫌いです。なるべく品位ある路線に金払って住んでるので注意にも喚起を促したいですな。