『手塚治虫COVER エロス篇』2003/05徳間書店

「『鉄腕アトム』『ブラック・ジャック』『リボンの騎士』…手塚治虫は僕たちの原点だ!実力派作家たちがジャンルを超えて集い、新たなる物語を紡ぎはじめる。手塚作品への愛とリスペクトに満ちたアンソロジー。」

エロスっていう上に森奈津子の名前があるので非常にそのベクトルの期待が高まっていた私。ですが、徳間デュアル文庫なのでそういった方面のベクトルは抑えられてました(当り前だ)。

でもこれほど迄、リスペクトされて作品パロディになっているのは初めてかも、というくらいの高品質です。

梶尾真治鉄腕アトム』ではちゃあんと、ヒョウタンツギが降ってくるし、お茶の水博士の「アトムや、おやり」というなんとも品の良い言葉も原典通り。メルモ因子の設定でまた、ほろ苦く切ないアトムの物語になってます。くーっ、カジシンだなあ(今でもカジシンと言って良いのかしら)

太田忠司『W3』原典を知らないのですが、最後には繋がっていて『黄金蝶ひとり』の作風とは一味違っていて格好良い。

牧野修『ビッグX』も原典知らずに読む。暗いです。原典はこんなんなのか?

森奈津子リボンの騎士』とても可愛らしく書かれてますが冒頭の多田由美のイラストはイメージと違うなあ。こっちを羽海野チカにすればよかったのに。

大塚英志ふしぎなメルモ』彼の作品にしては珍しい、ハッピイエンド。でも彼自身の視点は織り込まれてます。

井上雅彦ブラックジャック』これ小島文美のイラストから素敵。そして、井上伯爵のホラーらしく、美しく妖しい世界が…。

唐沢なをき『偽鳥人大系』笑った。漫画まで入っているとは、すごい作品集だ。


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自分が疲れ果てている時、自暴自棄になる時、浮かぶ歌詞があります。
「ダーーッメ、駄目駄目、ダメ人間、ダ−メ!にんげーん、にーんげーん♪」
筋肉少女帯の歌です。『サーカス団パノラマ島にかえる』は乱歩ファンなら気に入って頂けるであろう名作です。あの頃はちゃんと私もピンクハウス着てたなあ。
オールナイトニッポンも聞いていて、名歌(ディープパープルもじりの)おっぱいの歌も覚えてます。二大πソングですね。もう一つはスピッツの「おっぱい」です。
ハハハ、メジャーデビュー前のこの恥ずかしい歌…一緒に歌った友人とはもう会ってないなー。「もう、これ以上のー生きることのーよろこびなんかいらな−い」