『血まみれの月』ジェイムズ・エルロイ小林宏明1986サンケイ文庫(1990扶桑社ミステリー)

「銃による女性の自殺は、統計上でも皆無なのだ。」

『ザ・コップ』という名で映画化されているらしい。
作者はハイスクールの卒業証書もなく、チャンドラーやマクドナルドの本を読んで、この本を書いたそうだ。

主人公はあるトラウマで音量が大きい音楽、騒音がダメになった「ブレーン」ロイド・ホプキンス。
第三部からは面白くはなるが…もっと盛上げ方が有るだろうよ、といいたくなる。これは三部作なので三行半をたきつけた奥様がどーなるかは読み続けないと分からない。が、もう読むことはないだろう。

一番酷いのは「訳者後書き」。(私は本編を読んでから読みました)
「昔のパートナーとは疑似ホモ関係にあるくせに」(私は上下間の信頼による親密感てこの位は普通ではないかと…)「気負いは、後半三分の二あたりから息切れにつながっています。少し雑になってきて、展開にあまさがでてきます。」訳者にここまで言われて、「楽しみ!読んでみよ〜!!」とレジに本を持っていく事は可能だろうか?C級ミステリ批評家でもないかぎり難しいのでは…。

おなじ作家なら、この処女作より、評判の高い『LAコンフィデンシャル』を読むべきでしょう。私は読んでもないし観てもない上に訳者は同じだそうですが。

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交通整理の警官が居る境内そばの階段に白い車が停まり、警官が当然の如く注意する。
傍若無人な人間が居るものだと、私も呆れつつ進行方向なので歩きながら見ていると、警官が「失礼しました!」と言うではないの!
運転席の人間の面構えが見えてくると、芸能人か自称アーティストのよーなパーマヘア…。
高級住宅地だけあって、大使館ナンバーとか政治家とかの車かよ…権力に懐柔されてんのかよオイ!とちょっとむっとして睨み見ると、運転席の男性が着ているのは藍色の「作務衣」…。

えええーこんなアラゴルンみたいなのが?昔のむくんでない、はかせたろーみたいに、髪がウェーブなのがあ!?
静信とか『屍鬼』とか永平寺とか…何だったの!!と自分にツッコミ。(『屍鬼』やっと読み終えた。解説が宮部でなければもっと売れたのではないか。せめて綾辻氏に)

そしてギャップについ萌えてしまった…。