『東京異端者日記』森 奈津子 (著) 単行本(ソフトカバー) (1999/08) 広済堂出版


地に足のついた様々なセクシュアル・マイノリティとの交流を描く日記。
「現実世界」「幻想世界」の彷徨った軌跡。

菊地秀行先生や大原まり子、江上冴子ら登場。そして伯爵・井上雅彦のエピソード…ここに書くのはおこがましいと感じる程の。

森さん参加の『ハンサムウーマン』は担当編集者「妻には読ませたくない」という出来だとか、(女性は早速書店へ!)パスティス(南仏リキュール)ピクニック話とか、そうそう、[基本用語解説]もあるので初心者の方にも最適です。また、「主婦が不倫をするのではなく、不倫をしたいから主婦になる」等の穿った発言がビシバシ登場。

私の周りにはそんなぬるい気持ちで親をやっている奴はいませんが、社会には多いでしょうねえ。だって麝香の臭いを吐きそうな位に毎日つけてくる人とかさノ。匂いに弱い私には(どのくらい弱いかというと、香水売り場に20分もいると熱が出る位、馨りに敏感。きっと調香師の修行をすればなれるんじゃないの?という位です。世の中、苦手な香りばかり)毎朝、吐きそうな拷問。花粉症の方々の為に窓は開けられない。しかもそのムスク香は生(なま)みたいなんですよ。猫のおしっこを数十倍濃縮した感じ。強烈な匂いを数千倍に薄めればまろやかになり、野性的で官能的な香りと感じるひとも出てくるという麝香ですが私は受けつけられないようです。
きっとノこれが仏蘭西料理と日本の料理の塩の使い方の違いのように欧米と日本の違いかと。前者では味を壊さないまで塩を最大限使い、後者では最低限の量しか使わないというノいえちょっと匂いから逃避しただけです。


人間の欲望には全て名前がついているんだなーと改めて実感。売れなかった頃のスピッツのCDタイトルも『名前をつけてやる』でしたね。