『minimal』谷川俊太郎 William I.Elliott川村和夫 /訳 思潮社

「そして」


夏になれば
また
蝉が鳴く


花火が
記憶の中で
フリーズしている

遠い国は
おぼろだが
宇宙は鼻の先


なんという恩寵
人は
死ねる


そしてという
接続詞だけを
残して


年をとらないと受容できないものもたくさんあり、
切り捨てることができなくなり、
糸車のように循環する愛を慈しみ、

そして

「そして」の姿をうたった詩集。

谷川  結婚してから、母と一緒にお風呂に入り、妻が怒ったっていう話を、そんなに聞きたい?
(中略)
覚  マザコンて克服できるものなのかなあ。
谷川  はい。60過ぎてから。

ほぼ日の連載からです。
やっぱり詩人の感性は感受性が豊かとかそんなレベルじゃなくて根差してきた生活が違うようですね。
でも他の女性と一緒にお風呂に入るのと母とどっちがいいかって話になると奥さんによって分かれそうですけどね。