『夜のピクニック』恩田陸 新潮社


恩田陸の学園ものはやはりいいですね。
特に「女子」に関して幻想がないのが素晴らしい。女が女に対して求めている繊細な部分が押付けがましくなく描かれてます、いつも。
そして恵まれてる男性の無神経かつ無邪気な部分にも触れてます、常に。


地方と都心出身の違いって、地方だと「まだまだ人生の準備期間」と学生時代、より強く思ってることだとおもうのです。


ミステリでもミステリじゃなくても恩田陸のは読みやすいのですが、これはまた2日で80km歩く「歩行祭」。恩田陸の母校でのイベントだそうですが、今でもあるのかな…学校の一つの役割に「思い出づくり」もあると今はおもうので残っていてほしいです。
まあ自分だったら歩きたいメンバがいなかったら一人で80km歩くかサボりましたね。3年のクラスだったら本や漫画の話や恋の話を聞くことも出来たろうけど。


大人がこれをやると『黒と茶の幻想』になるんでしょう。
欠落してることはその分そこを意識出来て大切に出来るのだからラッキイなんだよ、とキャラクタに言ってあげたい気持ちと、人類って会って時間に制限なく話が出来るなら、本当はどこまでもいけるんじゃないかなと。


女性の書くミステリは安心感というかどこかしら自分の心とつながってる感じがありますが、男性のは自分と乖離、遊離してる感じで脳を沸き上がらせるものがあり、またそういうものでないと最近読む気が起こらなくなってきました。
女性作家の描く世界には住みたいとおもわないですが、森博嗣や舞城の『煙りと土と食い物』には本気で住みたいです。
中学生の頃の妄想と全く変わってません。


ミステリ作家は性格が悪いとのことですが、性格がいい男ってどういうのなんでしょう?半年で出涸らしになるようなひととか?
煮ても焼いても食えない奴の方が良いに決まってますが、案外ほんっとうに善良な人も良いのかもしれません。