『犬は勘定に入れませんあるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』 コニー・ウィリス  大森望/訳 早川書房


ここでも出てきた『月長石』(『本棚探偵の回想』参照)。
そんなに日本4大ミステリのようにワールドミステリの定番なのでしょうか。
ミステリじゃなくてSF?

2段組で542頁です。
後書きを読んでから読むと「そ、そんなすごい小説を今から読んで良いのでしょうか?」とドキドキしますが、私のフィルタでなく訳者の大森氏のフィルタで読みたかった小説です。
もしかしたら大森氏の「訳」が自分の体質に合わないのかも。

ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』がベースにあるようなので余裕がある方は読んだ方が良いのでしょうね。読まなかった私がいけなかったのです。きっと。

半分位まで読むと加速しますので読みやすくなりますし、古典ミステリのパロディもありますので「おっ」とはおもうのですが…ラストはハッピーエンドだからいいですが…。
読んでて「あっそ」みたいな距離感が絶えずつきまといました。

人によっては『航路』や、『ドゥームズデイ・ブック』の方が面白いそうなので私はそっちのほうなのかも。


2004年のミステリ等のベストに挙がってますが、やはり私は『ケルべロス第五の首』のが好きです。
後者の韜晦ぶりが非常に好み。