『臨場』横山秀夫 光文社
『第三の時効』以来の読んで良かったあ!と思う横山氏の本でした。
横山氏ならこのくらい書いていただかないとがっかりしてしまいます。非情ですね、ファンは。
上野正彦先生の本が好きなので、ネタが被ってたらつまんないなあと思ってましたが、そんな心配必要なしです!「ネタ」を見せるのではなく、物語を読ませてくれてます。
ミステリ(とカテゴライズしたら林真理子は読まないみたいですが、あらゆる「謎」よりも自分がモテることにしか興味ない奴の評価なんて関係ないです)ですが探偵ではなく、検視官・倉石をとりまく人々と死体の話。
平日の夜に一編でも読むかと読んだら、全部読んじゃいました。
全部語られるトーンも違うし、ネタも違うし、冗長じゃないからです。
キャラも魅力。
「赤い名刺」はもうその「赤」が可愛い〜!こんな可愛いことしたことないし、想像も及ばなかったです。いやー、こんなことおもいついた横山先生は乙女です!
「十七年蝉」は…倉石に惚れさせますね。
新鮮なのは「真夜中の調書」のネタでした。
読んだ後、脳内でミースごっこできます。「死んじゃやだ、倉石さん!」