『感情教育』中山可穂講談社620円(税込)
人に「恋愛小説読まないんですか」と言われてもこういうのが私にとって恋愛小説なのでそんなバカスカ読めたら入院しなきゃらならないです。
裏表紙にちょっと、そういう表現やめたら?っていう文句がある。解説も見ずに読む方がいいです。
まっさらな状態で作者も知らずに読めた私はラッキイでした。
表現も本当に観じたままの表現を紛らわせず描いてあります。
作品人物と境遇は違うけれど、これはとても身近な心情で女性なら30年も生きていれば感じてることじゃないでしょうか?男性は…想像力があるひとにしか受けないでしょうね。
ある作家の賞でかなりの不評をかったらしいです。
想像力がない審査員を飼ってる賞なんて取らない方が作品のためです。
転生して女をやるまで、わからない奴になんて読ませてやる駄文の連なりではないのですから。
下記は私のメモがわりなので反転します。携帯で御覧になってる方は作品に接する時の1割は面白さがなくなってしまうかも。
悲しみの中に怒りがある。虚無の中に渇仰がある。
つぶ餡は半殺し、こし餡は皆殺し。
そんなにも何かに餓えて何かを求めずにはいられない人間は、そうでない人間よりもずっと表現者になる資格があるんだと思う。理緒は時々、痛々しくて見ていられない。ちゃんと自分を愛しなよ。それから人を愛しなよ。あたしが理緒にしてあげられることはひとつしかないよ。ただ祈るだけ。どうかあなたが愛する人とめぐり会って、その人といつまでも幸せになるように。それがあたしの願いだから。
胸の白夜に凍えながら