『夏休み』中村航河出書房新社 1,365円(税込)
N氏から紹介された本。最年少の女性二人の影に隠れてた芥川賞候補作品。
芥川賞って最近、こういうのも候補に入れるんですね。
日常のディティールを丁寧に品質をキープして生活していく若夫婦たち。
朝食が美味しいってことはそれだけで人生の半分以上は成功ってこと。
スリッパの裏側はフェルトのものでなければ快適ではない。
目玉焼きは油をたくさんつかってじっくり焼く。軽く揚げるつもりで。
確かに二人以上で暮らしているなら、朝御飯は大切ですね。というか美味しいものを作ろうとか、一緒に食べたいとか、まずそう思える(人と居る)ということが大切なんだけどね。
笑顔をみたいという気もちがある、というのが凄いことですよ。(ここまで書くとちょっと自虐)
そしてカメラを分解する話はかなり面白いエピソードでした。
良い本なんだけど(よく女が使う「いいひとなんだけど〜」と同じ意味で)私のような乱暴ものには、ちょっと繊細すぎるN氏のお勧め本だなあ。
私は若夫婦ものなら『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』の人間だから。
「スローライフでほのぼの」よりもラヴ&爆笑での豪速球文体!!の方だから。
あと「満腹まで食べた人間なんていない」という話ですが、おなか一杯になって吐くまで食べた経験って、ありませんか、そうですか。ローマ帝国の話じゃなくて、やけ食いってそういうもんじゃないの?
一回でも有ると、食事に対して節度が保てると思ってたのですが、そんなことしなくても、元々節度ある人達なんですよね、この作品の中の人は。
土俵が違うようです。