『熱帯』佐藤哲也 文芸春秋1,800円(税込)


ああ…これ『本格的』と凄く似てる雰囲気の中でストーリが展開してません?
理系でも森先生とは違うんですよね。何故か…。サービス精神?


熱帯と化した東京を、システムエンジニアが、CIAとKGBが、エアコンを爆破する過激派が、部長もどきが、水棲人が疾走する。


CIA工作員らが狙う国家機密は「事象の地平」。


それはまるでガンダーラのような扱いなのですが、うう…理系(SE専用言語による)ノンストップ・スラップスティックかなあ。神様も哲学者もテロリストも勢揃い。

なんと出身地と血液型が私と一緒(なだけ)。


表現が面白いからか、またそのメタぶりか、メタでも清涼院流水とはまた違うのですが、兎に角、グググっと読まされてしまいました。装丁も可愛いし。イラストはほしおさなえ氏なので本よりもイラストの才能の方が認められやすいのではないかと懸念。