『山ん中の獅見朋成雄』舞城王太郎 講談社1,575円(税込)
舞城王太郎氏は「ゼロの波の新人」新人らしい。おっウチにぴったりなネーミング。
ならば宣伝しましょう。
舞城作品で際立っているのは号泣するキャラクタや擬音の表現ですが、この作品では静かな擬音が多く使われてます。舞台は西暁町!岐阜の側なんですね。やっぱり西暁町ものが好きです。
『阿修羅ガール』は舞城氏の兄弟姉妹が書いたのではないかという位、舞城氏のスピード感や文圧が軽減されていて不満でしたが、この作品ではばっちり。講談社作品なら外れなしってことでしょうか?
「俺の人生、よう判らん展開が多いんや」
って判る展開ばかりの人生ってどんなのですか?
いや判るならやる必要がないじゃん!という個人ツッコミです。
私も舞城氏に劣らず田舎出身なので山に入った時の感想は共感します。
僕にはそれが判った。
彼らの、僕らとは違う形と違う作りの脳が、柔らかに緩やかに回転するのが。
まあエント(指輪物語)を想起しても良いんでしょうが。
ネタは、オイオイこれですか?もんですが、結末がスパンクハッピイお姫さま抱っこなので舞城だなあと。
初期作品の圧死するような家族愛が好きなんですが、最近は恋愛で疾走してスッキリするけどちょっと物足りない、奈津川サーガ、feed me!