『ケルべロス第五の首』未来の文学 ジーン・ウルフ/著 柳下毅一郎/訳国書刊行会2,520円(税込)


これは非常に味わい深い。
強いて言えば『悪童日記』からの3部作をもっと巧妙にしカソリックの世界を惑星移住やクローン技術等にもからめて1972年に生まれた作品なのに2004年に読んでも全く遜色ないどころか切れ味が良すぎるためにどこで切られたか分からないような本格ミステリ


「名士の館に生まれた少年の回想」
「人類学者が採集した惑星の民話」
「尋問を受け続ける囚人の記録」


という三つの中篇が複雑に交錯し、やがて形作られる一つの大きな物語と立ちのぼる魔法的瞬間―“もっとも重要なSF作家”ジーン・ウルフの最高傑作。

この作品を読む迄、知りませんでしたが、大森望氏や殊能将之氏のサイトそしてブックファーストで発売前から騒がれていたので「絶対面白いに違いない」と思ってました。


読書はこういう出会いがあるからやめられません。

私では到底語れないので殊能将之氏の紹介をどうぞ。

ちなみにSFマガジン2004年10月号はジーン・ウルフ特集(監修・柳下毅一郎)だそうです。