『阿修羅ガール』舞城王太郎 新潮社(2003.01)1,470円

減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。


のっけから短歌ですか?若手女流歌人が歌っていたような気もするような。


私の舞城作品5作目。
女性が主人公なのは1作目。



舞城が三島賞獲得をモロ狙った感じ、と『メッタ斬り』で読んだので「ふうん」という期待で読みましたが…やっぱりなんとなく不完全燃焼。


調布の(西暁町でないところからして既に「舞城作品」カテゴリから外れてる)女子高生がはずみでやっちゃった男の死(はぼかされてますが)と2ちゃんみたいな「天の声」のサイトで中学生狩りをしてるのにリンクしてふりまわされる作品。


で苦しい時に好きな男を想起するのは女性のありがちな妄想方向ではあるのですが、舞城作品なら、霊界とかじゃなくてこの三次元で阿修羅してほしかったのです。
でもその次の作品『九十九十九』(2003.04)では舞城フェロモンがばっしんばっしん出てたので、ま、これは実験作だったのね〜。


強い女なら、キックとかはたくのが巧いのではなく、まあ高校生だから下手でいいんだけど、なーんーかーなー…違うつよさが見たいよね。


最後にはちゃんと前進してます。

私の止まった心臓を、何て言うか、ジャンプスタートさせてくれる人。
(中略)
ここが、こういくところが、こんなふうな感じが、とかじゃなくて、その人の真ん中の芯とか核が好きなんだって。

そうだよね。
私はついついそれだけじゃなくて、その人と家族の関り方とか、その中で自分はどういう態度であるべきかとかシュミレーションするだけで「結婚無理!」と結論が出がちだから「真ん中の芯とか核が」というふうにはならないな。
でもホントにその人の「真ん中の芯とか核が」好きじゃないからゴタクが並ぶんだよね、きっと。


舞城に言われてはな。今日は泡風呂に入ってみましょう。