『黄昏の百合の骨』 Mephisto club 恩田陸 講談社

『麦の海に沈む果実』とアンソロジー「殺人鬼の放課後」所収の『水晶の夜、翡翠の朝』を読んでおくと分かりやすいと、大矢氏の『なまもの!』サイトを観て知っていたのですが、装画がルース・レンデルでお馴染みの北見陸氏だったので、きっと恐い…!!と興味が止まらず、これまたid:doradora0511さんに借りた翌日に読んでしまいました。
お借りした本なので余り褒められないのが心苦しいのですが、これまた、私以外の人は誉めているから、許して頂きましょう。



箔押しが入っている…講談社も金かけてますね。
この作品は、書評を読むと皆のかなりのお気に入りなので、やはり私としては違和感を感じたところをクローズアップしてしまいます。売れてるんでしょうから、大丈夫。



そういえばカラオケで松田聖子やまいりとるらばーや、とみーふぇぶらりーを歌う女が男性受けが良いように(ここでウザくても微笑みながら音頭をとる社交性はある)、恩田陸を読む女性は男性受けが良いですよね。決してモリナツではないのですね。山田詠美でもなく。性描写が少ないからかしら。
知りあいも『六番目の小夜子』観た?観た!?アレ最高!!等と書籍ではなく、ドラマでかなり興奮していたな…(余りの狂いぶりに恐くて観てません)。



そういう点で理瀬はかなり受けの良いキャラクターですね。
また理瀬が悪ぶろう、より深く悪に浸ろうとしながらついつい善の浮力で浮いてしまいがちなのが萌えなんでしょう。


オチはちょっと吃驚しましたが、そういうオチって今までどっかで読んだような…。
また理瀬のお父様が非常に良い味を出しているので、主役で読みたいものです。
ええ、私は「百合」からお父さん(の性癖)×理瀬でなにかあるのかと結構期待していたのですが、そこは宮部ばりの健全路線なんですよねー。当り前ですか。



東野作品『幻夜』並みに悪女にならなくても良いけど、もう一寸は。
日本の女性作家が描くので悪女って『悪女について』位しかないのか。乾くるみはちょっと違うんですよねー。