『対話篇』金城一紀 講談社

『世界の中心で愛を叫ぶ』よりも、アンタは何が良いんだい!?という質問にお答えしましょう。流石に『四季』はアンフェア!ですよね。別の隠し球があります。


私のお勧めは金城一紀『対話篇』
ただし、映画は含まれません。狭き文藝の世界でね。


直木賞受賞の話題作『GO』は観てませんし読んでませんので、初金城一紀本。
(k塚氏のルックス、羽の生え揃わない雛をずーっと見せられているみたいで、受けつけない。小鳥は好きですが、育つのは前提です!)


これは表紙の気高さに、つい手にとってしまいました。
ここまで気合いの入った意匠なら面白いのではないかと。
スカイ・クロラ』のように的中しました。(鶴田氏のイラストではない方ね)
(そういえば映像化…しちゃったんですね。せんでえーっつーの、もう…)



「恋愛小説」
「永遠の円環」
「花」


ラストの「花」が一番支持されるでしょうし、私も目から汗が流れたかもしれないが、私は「恋愛小説」が一番切なくて好い。
「永遠の円環」も嫌いじゃないどころか胸がすく。楽しませてもらいました。(今の精神状態が「ほっといて型」ということで)
金持ちの飼う犬についても、知識を上書きさせてもらいました。


鴨居画伯の花もよろしきを得ております。



この作者がなめらかに饒舌に語るのではなくて、言葉をひとつひとつ探しながら誠実に表現している感じが、相手と距離を詰めていくのにぎこちないばかりの はつこひといふものをおもひださせます。





セ・シ・ボン。