『象と耳鳴り』恩田 陸 祥伝社 1999/11 

『光の帝国』に次ぐ恩田作品二作目!
これもミスコンの『象と耳鳴り』読書会のご案内で気になったからです。

それにしても常野ものは続編を早く読みたいものです。
特に「裏返す」ものが好きです。


1.「曜変天目の夜」や「給水塔」など探偵役が証明を行わないまま作品が終わるものが恩田陸には大変多い。恩田陸にとって推理とはどういうものなのか。

私にはちゃんと関根 多佳雄(かっこいい、キャラメルあげたい、ダンディ、素敵、センス良い、誠実…な名探偵)が証明していると思います。全然証明してないとは思ってませんし納得してます。あれで。



2.逆に「廃園」「待合室の冒険」「机上の論理」「往復書簡」では最後に事実が証明される。それらと他の作品との違いとは。

対象年齢が2の作品の方が低めだったのでは?



3.帯にあるとおり『象と耳鳴り』は本格推理なのでしょうか。

(『象と耳鳴り』に関しては推理詩みたいな印象です。法月氏みたいに本格でなくては…という人間でもないのですが)



4.恩田陸の魅力とはどこにあるのか。


宮部みゆきと同じような文体と印象を受けるのですが、情や常識に傾くのではなく、トリックの切れ味があり、色彩感覚、登場人物のプライドや美しく(悔いなく)生きようとする姿勢が感じられるところ。

短編が書けるということ。

皆さんの読書会では「本格推理とは前半に謎があって、美しい伏線の張りかたと共に論理的かつ驚くべき解決がある」ことが仮に前提となるなら結論としては「恩田陸には伏線が無い」ということでしょうか。


ギャフン。
私は恩田作品は見抜けないなーと思っていただけでしたが「伏線がない」ね。
伏線がない作品はミステリではなくSFじゃないの?FSSみたいに「神話」と言っても良いけど。(恩田作品はSFかと思ってた)
SF派でも西澤作品よりミステリ色は少ないですよね。



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GEOで80円DVDレンタルが出来る日ですが観たい作品がなかったのでスルー。
今月までに転職と引っ越しがかかっているのだ。しかも仕事は週六日。
今日も明日も明後日も仕事。森先生のようにネットで借りるか?
リクルートの皆様にはなかなか出来ない事でしょうが、私は4年前に会社が倒産したのを経験したので慣れたものです。
だからかプラダのバッグよりブランド名が表面にかかれていない吉田カバンの皮製品が好きです。ポーターのタグ有りは買いません。貰ったのは使ってますが。あの機能性が!ポケットが!!負けん気の強い素材選びが!!!


でも男性上司が靴を脱いだらプラダだったのは萌えた。奥様が居る方だったので何もしませんでしたが。(不倫って本当にレンタルだし、どんなに好きであっても冷めた上に醒めます)



文学賞メッタ斬り!』に「三島賞は、芥川賞が賞を出し損ねたひとにあげるという姿勢がある」とある。
舞城の候補作はそういった経緯があるのでしょうか。

15日に発表だそうですが石原慎太郎氏と宮本輝氏のセンスの見所です。
今日の選挙次第で石原氏は選ぶ作品が変わらないと良いのですが。


松井雪子ってある漫画家と同名だなと思ってたら、四コマの『おんなのこポコポン』の松井雪子ですか?
ひえー読んでるよ、この作品なら。

そんならももせたまみ有間しのぶは順番に直木賞とってくれ。