『リトルベアーの冒険』リン=リード バンクス(渡辺南都子訳)講談社青い鳥文庫1996/03

1巻目(小さなインディアンの秘密):これだけサブタイトルあり。ハリー位面白いと言われ、読みましたが、ハリー・ポッターには敵わない。でも『ダレン・シャン』よりはずっといい。面白くて一気に読めても、胸に残る手応えがあります。
主人公の心理描写が出来てるし、口惜しい時や思うようにならない時、自分を抑えようとする心の動きの描写が、良いです。辛い場面が無いので非常にワクワクして読める。



2巻目:インディアンの戦争に手を貸すんだけど、ワクワクするどころか主人公も後悔いっぱい。スカッとする2巻目ではありません。命を扱うことの重荷が、ずっしりとのしかかってます。




3巻目:今迄は過去の人物を部屋に呼び出すことしかしなかったのが、主人公の友人が過去へ。そして、主人公のオムリが小人を甦らせることを大人に知られてしまい絶体絶命の第 3巻。そしてブライトスターについで、ルビー登場。そして、物語の終わりへ。


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そういえば、シリアルキラーってイギリスかアメリカばかりですね。
フランスとか『クリムゾン リバー』(映画は2がもうすぐ上映)でも言われたように、そういう生きざまの吹き出し方ではなく違うベクトルを描いてますし。
おすすめサイトの『プロファイル研究所』には丹念に記述があります。こんなデータを無料で読ませてくれるなんて…。
赤川 次郎もそういえば、人は死にますよね…。こどもの頃『晴れ、ときどき殺人』なんて歌っていました。何にも考えずに。

邦画で好きな刑事物だと『相棒』とかいっそのこと黒沢の『天国と地獄』とかしかないかも。
今のドラマを見ると間とか構成とか冗談にならない主人公の陶酔ぶりとか「視聴者舐めてるのか?」(恐いですね、私)とすらおもいます。 小説なら筒井康隆の『富豪刑事』(ギャグです)、海外ならポール リンゼイの『目撃』です。本宮氏の(サラリーマン金太郎の)『俺の空』財閥デカ版みたいなのも良かったです。 無茶が好き?


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御意見番の皆様への議題「図書貸与権」(笑)

「図書貸与権」が津原泰水公式サイトの「aquapolis掲示板」で出てました。最近は荒れ模様ですが。

私自身、図書館派なので(学生の頃は月に何万も購入してましたが、引っ越しで売捌くこと数回、勝手に売られること幾度かあり…女三界に家なし状態で購入するのは止めました)肩身が狭いです。

(1) 図書館の本に対し、我々は貸し出しを承諾していない。
(2) 相応の対価を得ていない。
(3) 作家は儲かる商売ではない。


現在では驚くべきことに書籍を購入して読む人と、図書館で
借りて読む人の人数がすでにほぼ同程度になっています。

因みに、「図書館が出版物を買い支えている」という主張は都市伝説に過ぎま
せん。全売り上げに対する図書館の寄与分はは1.5%でしかありません。
#例えば、1冊数万円もする一部の特殊な書籍に対しては「買い支え」が成り
立つ可能性がありますが。

というのが、目立った内容でしたが、図書館蔵書に関しては、本代を上乗せすれば良いのでは?(一年以内に借りた人数に応じて、後から作家に出版者を通じて支払いを行うとか)
または印税を図書館分は上乗せして(文化貢献として)あげるとか。

あくまでも、図書館は存続してほしいもので。

勿論、本当に欲しい本は購入してますけどね。『数奇で有限なよい終末を』や『贅沢貧乏』は。

計算すると1か月の本代として(古本屋で購入した場合も含め概算)
新刊¥1500×10(冊)+文庫¥400×15(冊)で¥21000かかってることに。
区民税もうちょっと払うから図書館にまわして、作家の方々の懐に流してあげて下さいませ。

町田康は欲しい本、全部買ったら大変だから図書館行くよな、とよしもとばななとの対談で語っていたし、図書館を愛用していた(いる)作家は多い筈。