『ストレート・チェイサー』西澤 保彦 1998/04 (2001/03)光文社


スリーサム(トリプル交換殺人)やビアン風味、密室、姿が見えなくなる眼鏡、カルト…。謎以外でもこれだけ「設定」があるのが西澤作品ですね。こういうところが振るっているんですよね、大好きです!
ただ、ラストの女性が告白するのが『複製症候群』みたいで…ちょっと手法を変えてほしかったです。他には文句有りません。
「スリーサム」とか「クラッピイ」「レジー」なんて昨今は翻訳小説でも日本語にしてしまう語彙にルビ振って読ませてくれるのが西澤作品のおつなところです。『ファンタズム』ではそんな軽妙さは排除されてましたが。
解説が上記の加納さん。
「この世で最も残酷なのは、自分が愛されていることを知っている女性である」とありましたが、それは愛している同士によるだろうと、ちょっと反論。加納さんのイメージからは多少意外な文章でした。