『真っ暗な夜明け』氷川透2000/05講談社ノベルス


借りてきたあと、手をつけるのに数日。読み終わりました。
ネタからして私も好きな部類に入るだろうと始めのあたりはワクワクしていたんですが、途中から物語を楽しむというより文章を追っていくという感じがまとわりつくので早く読み終わらないかなーなんて多少思いました。
うーん、「ジャズを知らない」から?「頭の回転が早い」のについていけないから?「探偵として行動する氷川」の精神ロジックが解明されないままだったからか?
知人に「やはり東大にはミステリって根付きにくいのかもしれませんね。東大には変な人いっぱいいるでしょうけど、ミステリ好きになるような余裕はなさそう。そのままスト?カになりそう。(知っている東大生は変な人が多くてノ)」とメールしたところ数日後に氷川氏こそが東大出身だったので驚きました。東大出身のエンタテイメント系有名人って小沢くらいしか知らなかったから。でもこの本を読んで主人公の設定を読むと「ほんと変」。
因みに「変」というのは違和感を感じ続けさせられるということです。


文体が嫌いな作家は読んで良かったと思えない事が多いですね。ネタが良くても。『ラッシュライフ』みたいに疲れる。
ジグゾーパズルのピースが嵌まることは嵌まるんだけど、ピースの周辺の処理が粗雑で一つ一つがパチリと嵌まってくれない感じ。力で捩じ込まないと上手くいかないという感じでイマイチな、そーんな精神的負担を感じます。