『葉書でドナルド・エヴァンズに』平出隆 作品社 

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ドナルド・エヴァンズ―1945年、アメリカ・ニュージャジー州に生まれる。
1997年、31才のときオランダ・アムステルダム
友人のアパートメントの火事にまきこまれ、死亡。
あとに残されたのは、彼の描いた4千枚の切手。
エヴァンズは空想の国々の架空の切手ばかりを描いた画家だった。

面白いのは、彼が13歳位で一旦切手制作をやめ、デートやお洒落にいそしむこと。そして就職した後、切手を同僚に見せて好評を得たので再度制作を始めること。


詩人平出隆がきわめて「忠実」な仕事を残した美術家ドナルド・エヴァンズの軌跡を辿った記録。


特筆すべきは小説家やライターではなく「詩人」の仕事で、それが成功していると言うこと。澁澤龍彦もドナルド・エヴァンズが好きだったらしく、ふたりのわかりやすい抽象的なやりとりが書かれてもいます。