『始祖鳥記』飯嶋和一小学館 


本読みの間で「飯嶋和一」に外れなしと言われてるので、手を出してみました。
時代小説は相変わらず苦手なジャンルなのですが、それ以上にもうつまらない作品を心底読みたくないので、ジャンル問わず、名作なら読ませて頂く所存。


第一部はまあタイトルの通りの飛ぶ話で、筆力があるので「ふうん」とおもいつつも付き合って読めていたのですが、第二部から、塩問屋から、
ランチのファミレスで読んでいても滂沱の涙が。
描写が、人物が、仁義が、行動が…この構成力、完成度、文章の力、清冽な表現がどうして一人の作家の中に備わってるのか!?
あなた何者!?
もう「小説」としかいえません。
頁から風が吹いてくるようでした。終わらないでー!!


糞侍という表現も初めてでしたが、凧揚げは安倍川からだという話は小学生から遠州灘で五月の連休は凧揚げに参加してた浜松出身の私でも知りませんでした。


浜松では正月には帰らなくてもGWには帰郷するのが当たり前で、私は凧揚げより「練り」「激練り」(小田急線の朝ラッシュの車両内でおしくらまんじゅうしながら回転するようなクレイジイな祭)にしか興味がない奴ですが、男の子が生まれた家は凧をつくり挙げて貰うので、ウチにもありました。そっかー幸吉からだったのか!!


あー、日本酒飲んで練りたい!
ぶつかり合いたいっす!!


でも地元帰ると
「幼稚園から顔変わらないわねえ」
「あんたは子供と老人の顔しかないタイプだねえ」
と真実ばかり言われる上にあまり飲ませて貰えないんです。
ヤクザが多い駅の付近の練りはサイッコーにデンジャラスらしいのに
誰も(参加資格である)法被を貸してくれないし。
つまらねえっす。