『Girl Friday』やまだないと 祥伝社


最近の氏の作品はどうなっているんだろうと読みました。

モノクロの中で「そういう」シーンだけ、色が浮き上がってくる贅沢な本。

「たらし」の血は遺伝するのはまあ当然として、女性が「綺麗なままの」自分を蝶の標本のように留めてほしいという気持ちを主人公の男性はどう捉えるのかと。
そしてその時点しか知らないままの男性は当然「恋」にはならない、でもいつもあらゆる「女」は側に居る、と。

主人公は蜜のように「味わいたい」蝶(女性)を常に引き寄せます。
そして主人公の友人はやってきた蝶のおこぼれに与るのですが、主人公の「標本」に対する考えを一番理解しやすい立場の弟(やはりたらし)も主人公の気持ちは分からない。

もてるからオールOKという訳ではなく、
多少は美女が「口説いてくる人を信用出来ない」心理に似たとこもあるかも。
たらしは誑しと書くそうです。
ぴったりですが、「言葉」だけで誘惑されるんじゃないですよね。
なんとなく、この人ならいいかとかおもわされちゃうんですよね。消力が働く(笑)。
寄っかかっちゃいなよ、という雰囲気をつくれる。
多くの場合は、誑しは相手が結婚してようが彼氏がいようが、始めから聞かないですもん。
「彼氏いるのかー、そっかー」で終わるわけがない、聞かないから。


註:女性の誑しも居るとはおもいますが、それはよく知らないので男性版で書かせていただきました。