『生首に聞いてみろ Ｔｈｅ Ｇｏｒｇｏｎ’ｓ ｌｏｏｋ』法月綸太郎 角川書店

えぐいタイトルですね〜。
でもこの気圧される感じが嬉しいわけです。

『法月綸太郎の功績』はたじたじだった私ですが、これは舞台装置からして素敵なので、かなりのめり込んで読めました。
タイトル通り「マジ、首に聞きたいよ!」という場面もいくつか用意されているし、なによりもAU BON VIEUX TEMPS（オーボンヴュータン）のケーキの小道具にしてやられました。法月氏も甘いもの好きなのね…そういうミステリではありませんが。

名探偵の謎解き部分は「それは分かってんだよ！」ということが数頁費やされていたので、長編では法月氏はかなり親切なのがわかりました。そして父に対してもっと偉そうなキャラだった気がしますが、今回は謙虚でした。

こういう法月氏なら『頼子のために』も読んでもいいかなという気持ちになるものです。