『ららら科學の子』矢作俊彦文芸春秋


アトムやファンタジイやSF(すこし不思議)とはあまり関係ない中味。

ネタバレ感想。
30年、人生の一番良い時を自分で望んでいったとはいえ、中国で暮らす。エリートになり、宮仕えや開業で金銭的には約束された未来ではなく未知の世界へ飛び込んでしまう。

そして30年振りの渋谷を観る。
無邪気に笑う女の子はもういない街。

彼が一緒に行こうと誘った友人はその母親の言葉で留められていた。
彼には「大切な家族」は居なかったことが、30年ぶりに分かる。
自分が心配しても心配されているとは思えなかった30年。

ジョン・レノンもいない、長島は老いた。

私なら、渋谷を離れて違う国に住むなんて考えられないけど。
彼は、誰かになって行ってしまう。