『九十九十九』舞城王太郎 講談社ミステリー
ええっと、『九十九十九』ですもん!読みますよね!!ね!
1ページ目から、清涼院氏の「設定」ならこの背景でなければ嘘だ!という、すごいリアリティ。(妹さんのねむ?でしたっけ?が出てこないのは途中から嬉しかった。そのネタがあると失速する、きっと)
舞城変態である私には厚さがそのまま喜びに。
これは『百器徒然袋−風』の厚さでも難しいかもしれない。
そして、イラストもあってご本人のものだとか…。福井にこんな天才がいたなんて!数年前に出張がてら捕獲すれば良かったと読む度に悔やむのです。
心も傷なんてつかないよ。
心は本来的には愛情を作り出す装置なんだから。
前にも言ったけど。心は間違えたり、勘違いに気付いたりするから乱れるんだよ。
間違えなければ乱れないし、勘違いしなければ乱れない。
愛情というものは全身の記憶に残るのだ。
言葉を作る能を持って魂を肉体に込めて生きている限り、
その全身が憶えた愛情の記憶が完全に消えることはない。でも僕がセリカに持つ愛情は本質的にもう記憶でしかない。
これは今迄読んだ奈津川サーガの2作より進化してますねえ。
生みの親である清涼院氏に「どうしてここまで描かないんだ?」と見せつけんばかりの圧倒的な人物を描ききっていくのが快絶。
ラストは神ならではの幸せの味わい方。
面接に行く為にこの本と離れるのがどんなに辛かったか!重さと厚さでバッグがパンパンになり革鞄が倒れて『九十九十九』が出てきたらヤバイと早めについた当地のビル地下にある書店で面接10分前までこっそり続きを読んでました。
少なくとも四郎並みの愛想良さでは面接出来ました。
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日記の更新はしてませんが、本も漫画も読んでいるので元気です。
あのね、暑くてネット繋ぐのが嫌だったのですよ。ネタはあったのですよ。
面接は受かりましたが、会社の雰囲気が良くないのでまだまだ受けます。
人事の方も「来月まで、もし変更がありましたら、すぐにご連絡下さいね!」なんて
「ど−せうちには来ないんだろ」みたいな口調で。
唐沢氏の対談で「手塚治虫が虫プロを作ったとき、女性の採用試験にだけは全部自分が立ち会って、美人だけとったって言うんだ(笑)。自分で自慢してたんだけど、そのおかげで会社のあった練馬の富士見台駅は、“美人の降りる駅”として見物が来るくらい有名になったっての。そのせいで虫プロには各スポンサーがみんな訪れたがって、営業が極めてやりやすくなったんだよね。会社にはやっぱり美人が必要。これは経営の基本なのよ。」
すごい。神様はすごい。
「第131回芥川賞・直木賞レースを「文学賞メッタ斬り!」が予想する」なんですけど、芥川賞候補は一作品も読んでないです。