『かっこ悪くていいじゃない』森 奈津子2001/11祥伝社

まるでananにでも出てきそうなお洒落な装丁でモリナツ本とは思えない。
中編小説なので(『生存者、一名』『なつこ、孤島にとらわれ』と同じ長さ)読み易い。
世の中にモリナツファンが増殖してくれる事を祈る私(せめて西澤保彦の作品位には!!)。

もう、これは泣けてしまう本ですよ。
誰も読まないでしょうが、ネタバレなので反転。
バイセクシャルの人はヘテロセクシャルやゲイのように相手が決まってないということで、よく仲間外れにされるそうですが、その立場を利用せんと企みが…。
そして利用されるヒロインと笑い飛ばしながらも慰めるゲイが、も〜〜!!最高ですよ!!

「愛されるより愛した方が勝ち」というスタンスに泣きながらも立つモリナツだからこそ、気高くエロティックで、相手を尊重する人間関係の物語になるんです。

そのスタンスがあるから、モリナツの作品はいつも品を失わないのです。

勿論、とんでもないことはしてますけど。